素敵なダイナマイトスキャンダル

昨日は昭和の日。 
平成も残すところあと1年で、昭和という時代がどんどん遠くなっていくなあと感じる今日この頃、
先日テアトル新宿でとても昭和な映画を観てきました。
冨永昌敬監督の『素敵なダイナマイトスキャンダル』。幼少期に、母親が隣家の息子とダイナマイト心中をしたという体験を持つ末井昭氏(写真時代等の名編集長)の自伝エッセイが原作です。
予告編で観たときは、昭和のエネルギッシュな若者達をかなりデフォルメして描いたドタバタ喜劇という印象でしたが、いい意味で裏切られました!
もちろんハチャメチャで笑えるシーンもたくさんあるのですが母親の心中シーンなどシリアスでヘヴィーな場面もあり、そのバランスがとても良かったのです。
それは菊地成孔氏の音楽による所も大きかった気がします。(菊地氏はアラーキー役もやっていてなかなかハマってました!)
その場面をどんな気分で観れば良いかを音楽が押し付けがましくなくナビゲートしてくれて、心地良かった。
そして主演の柄本佑さん、素晴らしかったです。「ははは…」という乾いた笑い声に、主人公が心の底に抱えた絶望感のようなものが全て表れていて、とても印象的でした。
それから劇中で流れていたママス&パパスの『夢のカリフォルニア』これが今もぐるぐると頭の中を廻っていて、さすが名曲、というかなんて洗脳的な曲なんでしょう!と(笑)

昭和の雰囲気を存分に感じられるこの映画、エロも満載なので万人にはお薦めできませんが、私はとても好きでした。いい映画だと思います!


KAORU KIRINO

ナレーター・声優として活動している 桐野薫のブログです。

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