ホラーとマシュマロ

すっかりご無沙汰しております。
せめて月に一度は更新しようと決めていたのですが、2月はお休みしてしまいました。

先月は、村上春樹の短編『納屋を焼く』が原作の映画『バーニング』を観たり(ヒロインが黄昏の中で踊るシーンの美しさに胸が締めつけられました)
字幕朗読で参加した『あまねき旋律』がシネマチュプキタバタで上映されたり(台本なしで字幕を見ながらの収録で面白かったです)…等々
書きたいことがいろいろあったのですが、うかうかしているうちにもう3月。やっぱり2月は短いですね(単なる言い訳…)

さて、気を取り直して3/1に観た映画の話です。
ルカ・グァダニーノ監督の『サスペリア』。
ホラー映画の金字塔と呼ばれる1977年ダリオ・アルジェント監督作品のリメイクです。
実はホラー映画は苦手で、映画館で観たことは一度もありません。でも今回レディオヘッドのトム・ヨークが音楽担当と聞いてこれは観にいかなければ!と決心したのです。
しかしながら周りの人誰もが行きたくないと言うし(決して一人では観ないで下さいというキャッチコピーなのに!)なぜか上映時間が遅くからの劇場が多くて(怖い映画を観たあと夜遅く帰るのはイヤ!)なかなか行けませんでした。
そしてついに、3/1から小田原のコロナシネマワールドで昼から上映するというので、意を決して一人旅気分で行ってみることにしました。
小田急線で小田原まで行き、そこから無料送迎バスで約20分。着いたところは映画館だけではなくスーパー銭湯やカラオケ、パチスロやゲームセンターもある複合アミューズメント施設でした。地方感満載でいい感じ!
時間があればスーパー銭湯でひと風呂浴びたかったのですが、上映時間が152分もあるのでそんな余裕はありませんでした。残念。
サービスデーなのに映画館は人もまばらで私が観た回はお客さんは10名ほど。周りを気にせず映画の世界に没入できて、152分あっと言う間でした。

感想は…怖くなかった!!
もちろんグロテスクで禍々しいシーンもあったのですが全体的に映像が美しく、トム・ヨークの音楽も映画の世界観に合っていて、しかも抑制された感じで素晴らしかった。
ダンスシーンも見応えがありました。
クライマックスの儀式のシーンでは怖いというより笑いたくなってしまったし、よくわからない部分もありましたが…本当に観てよかったです。
ホラーやオカルトというより、抑圧されてきた女性たちの苦しみとそこからの開放がテーマなのではと感じました。
こうなったらオリジナルのアルジェント監督作品も観てみたい!

清々しい気分で映画館を後にし、国府津駅まで歩き、近くのマシュマロというカフェでひと休み。
ブレンドコーヒーを頼んだら珍しくフレンチプレスで、小さな色とりどりのマシュマロが添えられていました。
マシュマロ…。普段なら絶対手に取らないお菓子です。でも今日は思い切ってコーヒーに浮かべて飲んでみました。
おお!なかなか美味しいではありませんか。
マシュマロもホラーも、食わず嫌いは損ですね。
思い切って食べてみたら、意外に好きになるかも。
そんなことに気づかされた小田原小旅行でした。

写真の左下の赤い本は『サスペリア』のパンフレットです。なかなか充実した内容でしたよ!

KAORU KIRINO

ナレーター・声優として活動している 桐野薫のブログです。

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